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 笈摺(おいずる)の語源は、背に負っている笈から着物を守るために身につけていた白衣という意味から来ています。
 巡礼者はこの笈摺を着て、輪袈裟、手甲、脚絆をつけ、菅笠をかぶり金剛杖を持って巡礼していました。そしてこの笈摺には次のような意味が込められています。

 まず笈摺は死装束と同じ意味で着ていました。そして巡礼中にもしもの事が起きた時には、その身のままで埋葬してもらい、その上に五輪塔として金剛杖をさして墓標にするという厳しい意味が一つです。

 次に死装束で巡礼に旅立った巡礼者達は、西国三十三カ所巡礼に於いては33番の谷汲寺笈摺堂に脱いで納めて帰ることになっています。そのため谷汲山華厳寺の御詠歌に「いままでは 親とたのみし おいずるを ぬぎておさむる 美嚢の谷汲」と詠まれています。
 このことは何を意味するかというと、家を出るときは死装束で旅立ったが無事に帰ってきた時は、その死装束を脱いでこの世の姿で帰ってくるということ。これは、まさに巡礼を通じて生まれ変わった清らかな自分として帰ってくるとこを意味します。

 すなわち笈摺を着る二つめの意味は、巡礼中は御仏の世界に入って心を洗い、神仏の子としての本当の自分を発見し、生まれ変わった自分として帰ってくることを意味します。
 次に昨今では笈摺の新たな使い方として、自分がこの世を旅立つ時、また肉親縁者の人が旅立つ時に、御仏のご宝印を頂いた白衣を着せてあげることにより、その人が御仏に導かれて無事に浄土へ赴くことができるようにという祈りを込めて着せてあげる白衣として使われるようになっています。

 そこで、皆様にお願いするのは、死出の旅立ちに使う白衣と本来の意味である笈摺としての白衣と2つ作って頂きたいと思います。そして出来るならせめて札所の山門をくぐる時にその白衣を身に付けて巡礼者としての心構えでお詣りをして頂き、目出度く結願したときには先に述べた意味を込めて最後の谷汲山の笈摺堂に納めて頂きたいと思います。

 
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