次に掛軸などの家庭での扱い方について、当方発行の法話集から引用したものを紹介しますのでご参考にしてください。
(巡礼者への法話その二より抜粋)
あるお家の方ですが四国八十八カ所を私と一緒に遍路をされ、また西国三十三カ所はご自身で巡礼をなされました。そしてその人の巡礼目的は、自らの修行という意味とある年齢をすぎてもまだ独身であった娘さんに良い縁談がありますように、という願いの巡礼でもあったのです。
そして、その後ご縁ありまして目出度くご結婚をされたのですが、婚約をされたときに、結納の品を飾る床に、四国八十八カ所と西国三十三カ所の掛軸をかけて、縁談が成就した事への感謝の祈りを形に表されていたのです。
ところが、そのお家に結婚のお祝いを持って行った人の何人かが床の間の掛軸を見て奇異に思い「葬式や法事などの仏事用の掛軸を目出度いお祝いの時に掛けて、このお家の人は変わった人である」と思ったようで、その事が私の耳に入りました。
このように言った人は、そのお家の人が四国遍路と西国巡礼でお願いしたおかげで娘の結婚が成就したことを、弘法大師様と観音様に心から感謝をされ、結婚後も末永くご加護を頂いて娘が幸せであるようにと、祈られてその掛軸を掛けておられたその篤き信仰心がまったく理解できず、これらの掛軸はただ仏事など不祝儀の時にかけるものと思いこんでいる人であり、ただ慣習のみにとらわれた無知な人といえます。
さてこれをお読みいただいて如何でしょうか、巡礼中は各札所の御本尊に、ご先祖様のご供養だけでなく、家内安全、商売繁盛の祈りや、またご家族に受験生などがおられたら、志望校入学などの祈りを捧げられたはずです。その御本尊を象徴するご宝印が押されている掛軸ですから、日々の祈りの糧としてお使いいただくのが本来の姿です。その意味に於いてはお正月などにも、その年の幸せを観音様に祈るという意味で掛けて下さい。勿論お彼岸や仏事の時に掛けて頂いて結構ですが、本来の日々の祈りの糧として使うという意味をしっかりご理解されてお使い下さい。
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